右か左か?4

  • 画像1

次に、回転運動ではなく、それに類似する渦巻き運動の場合を見てみる。
巨大な渦巻き運動といえば、今がシーズンの台風、ハリケーン。その渦巻きは北半球では、左巻き。南半球では右巻きとなっている。
画像1が台風の衛星画像、画像2がオーストラリア近くに生じたcyclon(サイクロン)の画像だ。
この左巻き、右巻きの判定法も、円運動の場合と同じだ。日本式は気体の流れ乗ってxy平面上を移動している自分を想定し、その視点から見た場合、渦巻きの中心に向かって、左へ左へとカーブしながら回っていくから左巻きとする。

  • 画像2

英語で渦巻きのことをvortexといい、渦巻き運動はvortex flowとなる。
そして、その回り方はclockwise/counter-clockwiseで表し、円運動の場合と同じだ。
渦の判定は、渦を上から見下ろして行うから、衛星画像などなかったときには、どう表現していたのか、そちらのほうが興味深い。
気象観測のデータなどから、サイクロンが巨大な渦を形成していることは、衛星画像が得られるようになる前から解っていたことだろう。頭の中で、その渦をイメージして、clockwise/counter-clockwiseを判断していたのだと思われる。
渦巻き運動ではないが、渦と同じような外形パターンを示す人間の頭髪にできるつむじはどうなるか。

  • 画像3

画像3が日本のサイトに出ていた画像を拝借したもので、左側が右巻き、右側が左巻きのキャプションが入っている。
これを見ると、右巻きのつむじの渦巻きのパターンは台風と同じなのに、右巻き、左巻きの判定がが台風とは逆になっている。
これは、髪の毛の成長を一種の運動とみなし、その運動方向に自分の視点を移しているからだ。

  • 画像4

画像4が英語圏のサイトからのつむじの画像を拝借したもので、左側がclockwise hair whorl。右側がcounter clockwise hair whorlというキャプションが添えられていてた。
これで見ると、英語圏での判定法はやはり、時計の針の運動とのアナロジーとして考え、つむじを真上から見て判断していることがわかる。