ロマネスコの食用にする部分を真上から見た場合の渦巻き模様に見えるパターン。これが左巻きなのか右巻きなのかの問題。
これを決めるには、まず、観察方向が決まっていること、さらに渦巻き模様がどのように成長してできたかの二つが分かっていることが必要。
観察方向というのは、渦巻きパターンの場合、その対象物の平面図を上から観察するのか、それとも下から観察するのかということ。
ロマネスコの場合、渦巻きパターンが見て取れるのは上からの観察に限られるから、この点は議論の余地がない。
これが、台風のように、渦巻きを下側からも観測可能な場合、観察方向が問題になる。
次に、植物のような生物の場合とか、台風のように観察対象に動きのある場合、動く方向が左巻きか右巻きかを決定する要素になる。
対象物が植物の場合という場合、典型的なのがつる植物のツルの巻き方だ。アサガオのつるがどっち巻きかといえば、ある一定の年齢以上の人は、これを左巻きと言い、それより若い世代の人だと、右巻きだというだろう。
これは、小学生時代の理科の時間でそれぞれ、そう習ったからだ。
ツルの巻き方に関する右巻き、左巻きの決定方法は、それぞれが全く異なった理由にもとづいている。それぞれの考え方をここでは詳しく述べない。
実はこの問題はこのブログで以前に取り上げたことがある話題。以下のリンクで参照してください。
ロマネスコの場合に関しては、アサガオのツルの巻き方を左巻きとする考え方に準拠して考えることにする。
改めてロマネスコの画像。
先端部分がねじれながら成長したように見える。しかし、そのねじれ方は見方によって時計回りにねじれたようにも、反時計回りにねじれたようにも見える。
比較的よく分かるのが、頂上付近から反時計回りに裾野のほうにねじれていくバターンが見て取れる。
しかし、よくよく見ると、反対側にねじれているパターンがあることにも気づくだろう。
前者のねじれ方は後者よりも強く、まるで台風の渦のようだ。
目立つほうの反時計回りが左巻きかというとそうではない。なぜなら、植物の場合、成長方向が問題だから。
ロマネスコが成長するのは裾のほうから、てっぺんの方向だろうから、それを考慮すると、反時計回りに見えるほうが実は時計回りで、時計回りのほうが反時計回りということになる。
つまり、前者なら右巻き、後者なら左巻きということ。
しかし、ロマネスコは、どちらかのねじれ方のように、先端部分がねじれながら成長するのだろうか。
これは実際にロマネスコを育ててみない分からないが、たぶん、そういう成長の仕方はしないと思う。
つまり、ねじれたように見えるのは、幾何学的パターンのせいで、実際にはまっすぐに成長するのだろう。
となると、見掛けのねじれの方向でどっちまきかは決定できないから、ロマネスコの巻きパターンはどっち巻きでもないということになる。
ちなみにロマネスコの渦巻きパターンに似たものとして、仏像の頭部の螺髪(らほつ)を画像引用したが、この巻き方はあるサイトによると右巻きだとしている。
髪の毛は成長するから、成長する方向からこれを観察し、右回りに育っていく場合は右巻きということになるが、ネット上の画像ではよく分からなかった。