右か左か?9

  • 逆回転時計

回転運動するものを、真上から見下ろし、その方向と時計の針の動きとを比較して右回りか左回りかを判断する判定法は、文明開化とともに、西欧から日本にもたらされたようだ。
今では、日本にすっかり定着し、いまやほとんどの人がこの判定法を用いるのでなかろうか。
しかし、この判定法が歴史上、日時計の影の動きと関係があることが日本には伝わらなかったのか、日時計が一般的ではなかったため、忘れ去られたものかはわからないが、知識として広まらなかった。
そのため、右回りか左回りかの簡便な判別法にとどまり、なぜそうなのかという質問には答えられない底の浅い知識になってしまっている。
ところで、日時計の画像を見ると、時刻を表す文字盤が時計の文字盤ような円ではなく、半円であるのは、太陽が沈むと影はできないから、影のできない時間の時刻表示は必要ないからだ。
下記のURLで見られるアニメーションは日時計に出来る影の様子をうまく表していて、理解しやすい。
http://pub.ne.jp/seagate/?entry_id=1568365
小学生だった私の質問に対して、担任が使った「時計の文字盤の上半分に注目して…」という説明は、日時計の文字盤を考えると、根拠のないことではなかったのだ。
さて、この判別法をアサガオのツルの巻き方に適用するとどうなるか。アサガオのツルの先端の動きを円運動として観察できるのは、ツルが伸びていく鉛直方向を真下に見るしかない。この視点から見ると、アサガオのツルは反時計方向、つまり左回りに回っていくから、左巻きと判定することになる。
下記URLの動画は、アサガオのツルの回旋運動をコマ落とし撮影して、連続再生したもので、真上からの視点ではないが、上から見た場合の運動の様子を容易に想像できて解りやすい。
http://labellavitaet.blog40.fc2.com/blog-entry-916.html
アサガオのツルの巻き方に関して言えば、視点が違うが、左巻きという結論は牧野式と同じになる。