クラッスラ属都星とその自生地の気候

画像はクラッスラ属都星。冬型クラッスラ中でも、夏越しが特に難しいとされる。
去年の夏の今頃、せっかく順調に大株にまで育った都星をだめにしてしまった。
半日陰に置いていたにも拘らず、完全に枯死してしまった。画像の都星はその後、ヤフオクで小さな株を落札したもので、今のところ順調に夏越し中。生育もしている。
リトープス、帝玉などの南アフリカ原産の多肉植物の自生地の気候を調べていて、そのついでに同じ南アフリカ原産の都星についても、その自生地の気候を調べてみた。
自生地の気候を調べることで、去年の夏の失敗の原因がわかるかもしれないと思ったからだ。

さて、二つ目の画像が都星の自生地、Namaqualandの気候グラフ。
このグラフを見ると、自生地は、ほとんど雨の降らない乾いた土地だとわかる。夏の気温は、30度を越えていて比較したH市ほどではないが意外に気温が高い。
枯れた都星を置いていた場所は、二階のベランダ。風通しが悪いわけでもなく、直射日光はほとんど当たらない場所だったので、気温が40度を越えるという場所でもなかった。それではなぜ、都星の大株は枯れたのか。
注目すべきは、自生地の昼と夜との気温差だ。昼夜の気温差が15℃もある。比較したH市の場合、年間を通じて気温差15℃にもなる月はない。
この気温差により自生地では、年間を通じて、夜間に地表にはかなりの結露が生じるだろうということだ。
雨がほとんど降らない環境で、植物本体を支えるための水分をどこから獲得するかといえば、結露による水分を、毎晩、こまめに吸収していると考えられる。
ベランダにおいていた都星は、メセンの一般的な夏越し法に従って、風通しのよい半日陰に置いていた。水は完全断水せず、一週間に一度ぐらいの割で与えていた。
枯れたのは、この一週間に一度の灌水を忘れたからに違いない。
今、夏越し中の都星は、毎日、鉢の間の砂に給水させるだけでなく、株元の鉢土にも霧吹きで少し水分を与えている。