多肉植物。・サボテン栽培の難しさ4


画像は帝玉の自生地にある町の気候グラフ。雨の降り方を見ると、一年中、少量ではあるが雨が降っている。断水すべしという夏にも、他の季節と同じぐらい降水量がある。
帝玉が自生地の環境で、夏に休眠するとはとても思えない。
現地では、休眠などしないどころか、むしろ生育期と思える時期に、強制的に休眠させるから、栄養不良状態になり、株が弱って腐敗するのだろう。
帝玉の栽培を難しくしていたのは、園芸本などに出ている間違った帝玉の栽培法だったのだ。
実際、夏に断水せず、直射日光で育てていると、真夏でも、若干ではあるが成長する。
現地の雨の降り方は、降る日数も、降る時間もわずかだが、降る時はドバーと降るらしい。
帝玉の根は直根で本体部分に比べて、かなり長い。ドバーと降った雨は、当然地中深くまで浸透する。帝玉はせっかく降った雨の水分を出来るだけ吸収するため、地中に長い根を伸ばすのだろう。
そして吸収した水分を植物体に溜め込み、雨のまったく降らない残りの時間は、溜め込んだ水分をちょっとづつ利用するわけだ。
自生地の環境や、帝玉の形態を考え合わせると、夏も冬も出来るだけ長い時間、日に、それも直射日光を当て、夏も冬も断水などしないほうがいいことになる。
ただ、春遅くから、秋の初めの現地の最低気温は、日本のそれよりずっと低い。高すぎる日本の最低気温は、多くの植物にとってストレスとなりうるので、使用する鉢とか置き場所を工夫することで、鉢土の温度が夜にはぐっと下がるような工夫が必要だと思う。
また冬の間は、自生地の最高気温が日本よりかなり高いので、今度は最高気温が高くなるような環境に置くようにする必要がありそうだ。