スズメの雛2014-1

5月31日の夜、9時ごろのこと。二回の南側の部屋の雨戸を閉めようとしたら、どこからともなく、小鳥のヒナの鳴き声が。南側の部屋のひさしには、その数日前にスズメの雛が孵ったらしく、か細い雛の鳴き声が聞こえていた。
今頃の時間だと寝ているはずなのにと思って耳を澄ますと、聞こえてくるのは、南側の部屋のベランダに置いてある簡易温室の下側あたりから。
えっと思って、懐中電灯を持ってきて照らしてみると、まだ生まれて数日の目も開かない雛が転がっている。
あわてて、拾い上げて、手に持ってみると、もう体が冷たくなっている。
小鳥の雛は体温が40度ぐらいあるのが普通で、これが触ったときにひんやり感じるようだと、もう低体温症状が始まっていることを意味する。
ヒナの低体温症は殆ど致命的だ。まだ泣き声をあげているので、助かるかもしれないということで、ヒーターで体を温めてみた。えさも欲しがったので、雛用に以前買ってあった練りえさを与えてみた。
一通り、食べることは食べて、体温も上がってきたので、助かるかもしれないと思って、この日は寝た。
しかし、次の朝、雛は死んでいた。屋根のひさしから、ベランダまでは高さが1m以上ある。落下の衝撃で内蔵のどこかに損傷を負ったのかもしれなかった。
たった一回の給餌しかしなかったが、それでも、小さな雛が死んでしまったことはちょっと悲しかった。
いったいなぜ、巣から落ちてしまったのだろう。考えても詮無いことをしばらくの間、考え込んでしまった。