リトープス、家での育て方5

(3)の施肥についての補足事項。
家でのリトープス栽培で、肥料は施さない。例外は実生苗。ごく薄い液肥をたまに与える。
施肥のことと関連するのが植え替え。
またバラの栽培を例にすると、鉢植えのバラは冬の厳冬期に植え替えを行う。
植え替えのときに株を鉢から抜くが,このときに鉢土はいわゆる根鉢の状態になっている。
前年の植え替え時に枝は、株元から20cm以下に、根も同じぐらい切り詰めるが、一年で根は12号鉢を一杯するほどまで伸びる。
台木の野バラは根の肥料吸収力が強く,そのため成長が早い。しかし肥料の乏しい土だと、たとえ野バラでもあまり成長しない。
肥料を施した場合,次の植え替えまでの期間が短くなるわけだ。
もうひとつ、肥料を与えた場合、残留する肥料成分がどうしても出る。また、肥料により活発に成長する根が出す,代謝物質も当然増えるから,それらの物質で鉢土の塩類濃度が高くなる。
これは根にとっては水分吸収に障害になるので,その事も植え替えがどうしても必要な理由だ。
リトープスに話をもどすと、家ではリトープスに肥料を施さないから、植えつけてから一年たっても、根鉢どころか鉢の底まで根が達しない。
というわけで、大人のリトープスの場合、最低2年以上たたないと植え替えはしない。
2年以上植え替えをしない鉢でも、リトープスが根鉢になっていることはない。
ただ、直根性なので、根の先端が鉢底に到達していることはある。
頻繁な植え替えは,その事自体が植物にとってストレスだと思うし、実際、リトープスブログを巡回していると,植え替え後にリトープスが枯れたり、腐ったりしたという記事に出会うことがあり、植え替えによる株の損失はゼロではないことが分かる。
そうした危険を避けるためにも、必要もない植え替えはしない。
また、植え替えの間隔が、なるべく空くように,鉢も縦に長い,深鉢を選んで植えつける。
よくある黒のプラ鉢は縦と横の比率で言うと,縦方向に短かすぎ,また二重鉢にもならないので,家では実生から2年までの小さい株にだけにしか使わない。
以上,家でのリトープスの栽培法を書いてみた。
これを要するに、いわゆるリトープス栽培,または植物栽培上の常識とされていることと、ことごとく異なる方法を用いていることが分かる。
私はへそ曲がりとか,天邪鬼とずっと言われ続けてきたが,常識というやつをそのまま鵜呑みにしないだけだ。
家でのリトープス栽培は、そうした私にぴったりの栽培法といえる。