リトーブス栽培での水やり2

栽培植物を毎日、注意深く観察し、その際に季節という、大きな時間的変化によるものだけでなく、晴れの日、雨の日という毎日の気象による変化、さらに、水やり前と水やり後の状態の変化などに気付ける。
これを長い間繰り返しているうち、栽培植物の株全体の状態を一目見ただけで、水切れかどうかの判断はある程度つくようになる。
これまで私が栽培してきた植物でいえば、ちょうど今の時期のアジサイシャクナゲの状態変化は誰にでも容易にわかるほどはっきりしている。
夏は水切れしやすい季節で、特にシャクナゲは高温、乾燥に極めて弱い。ちょっとでも水切れ状態になると、だらりと葉を垂れ、まるで幽霊のようになる。
こうした状態ではもう手遅れで、その前に、予兆を感じ取って対処する必要がある。
多種多様な植物を栽培してきて、くだんの女性店員ほどではないが、それなりに植物の様子から、灌水のタイミングを知ることがある程度できるようになった。
しかし、数年前にサボテンの栽培を始めたときに、ちょっと戸惑った。
サボテンは黙して語らぬ植物だ。元気がいいのか、悪いのか。水がほしいのかほしくないのか、何年間も栽培を続けてもさっぱりわからない。
こうなると、何日に一回ぐらいというアバウトな水やりにならざるを得ない。
サボテンに比べると、リトーブスは、はるかに雄弁だ。
株全体の様子から、灌水時期かどうかの判断はある程度つく。
自生地の環境を知っていれば、どのぐらいの量の潅水をどの程度の頻度で行うべきかの目安があらかじめ判断できる。