8月の別れ 7

3羽をどうするか決断がつかないまま8月の数日が過ぎ、8月7日の月曜日の朝、いつも通り、子スズメたちがいる部屋に入ったところ、畳の上に一羽が横たわっていた。
慌てて拾い上げたが、もうすでに息がない。
昨日夕方、部屋の明かりを消すときには何ともなかったはずなのに、一体どうしたのか。
死んでいたのは、最後に保護したスズだった。
エサや水を調べて分かったのは、水を入れた容器の一つが空になっていたこと。
その容器には水浴び用の水を常時入れていたが、連日の猛暑で水が蒸発してしまっていた。
水を入れた容器はもう一つあり、そちらには水が入っていたが、その水を飲むには止まり木に止まる必要がある。
どうやら、足の悪いスズはその容器の水は飲めないでいたらしい。代わりに水浴び用にと思って入れておいた水を飲んでいたのだろう。
そんなことにも気が付かないとはうかつにもほどがあると自分を責めたが、後の祭り。
せっかく保護して、元気に飛べるようになったのに、一体何をやっているのかと一日中、気持ちが落ち込んだまま。
しかしこの出来事で残ったピーコタンとチュンチュンを外に放す決心がついた。
3羽を外に放した場合、足の悪いスズがピーコタンやチュンチュンについていけないのではという心配がなくなったからだ。