異種リトープスの同居1

ベランダなどの限られた空間しかない栽培だと、栽培するリトープスの種類が増えてくると、種類の違うものを同居させることになる。しかし、これが栽培失敗の原因になることもある。
リトープスにも、それぞれの種類で性質が違っているため、相性の悪いもの同士を同じ鉢に入れるとまずい場合もあるということ。
私が同居させるとき、注意する点は次のようなもの。
1. 直射日光に強いかどうか
屋根の上に鉢を置いて、真夏の一か月ほどを除くとずっと直射日光でリトープスを育てているので、直射日光にも耐える種類かどうかが問題。
4年ほどの屋根の上栽培でわかったのは、太陽大好き植物だと思っていたリトープスにも、あまり直射日光を好まないものもあるということ。
直射日光にも十分耐えるものと、そうでないものとの同居は当然NG。
紫薫系の多くが長時間の直射を好まない。特に紫色、灰色系の柴薫は直射日光より半日蔭程度の環境を好むようだ。
というわけで、家では、他の種類との同居はもちろん、紫薫系を屋根の上で育てるのをやめた。
2. 徒長しやすいかどうか
徒長しやすい種類とそうではない種類を同居させると適正な水やりが困難になる。南アフリカの冬降水地域が自生地である種類に徒長しやすいものが多い。
例えば、青磁玉。繭型玉、澄青玉。それから、李夫人も徒長しやすい。
これらの種類と、どちらかというと夏場でも十分な水を与えたほうが良い種類、例えば、日輪玉系、紫薫系、福来玉系、巴里玉系、柘榴玉系、微紋玉系を同居させた場合、水を与えすぎると前者は必ず徒長。かといって、灌水をほとんどしないと、後者が干からびるというジレンマに陥る。
3. 根張りがよいかどうか
強健で根張りがいいものと、そうではない種類を同居させると、必ずと言っていいほど根張りの弱いものが枯れてくる。
植物にも弱肉強食のような関係があるのか、ほかの植物を攻撃する何かを出しているのではないかと思われる。
そのため、強健度に差があると、弱いほうがどんどん弱ってくる。
強健度の強いのは、日輪玉系、富貴玉系で、根張りも大変良い。
これに比べると、微紋玉系、柘榴玉系、寿麗玉系などはそれほどでもなく、両者の同居はやはりNG。
4. 同じ時期に開花するかどうか。
これは、同じ時期に開花すると、交雑が起き、望まない雑種ができてしまうから、
種ができても撒かないのなら問題ないが、増やしたい種類もやはりあるから、違う種類の同居でも同じ時期に開花しないのなら問題もない。
こうしたいくつかの点を考慮すると、違う種類の同居はかなり限られてくることになる。
画像はうちのリトープスで異種同居させている鉢。

  • 微紋玉と曲玉の同居