危険予知能力

JAFの月刊誌ジャフメイトには、毎月、「危険予知」という記事が載る。

日常よくあるシーンに潜む危険をどのぐらい感知できるかをテストするもので、私は必ずこのテストを試している。

2020年8・9月合併号では、習熟度テストとして、過去に掲載済みのテストを5問出している。

この問題の作成者が、このテストの意義を語っている。その内容を要約してみる。

私が大学生だった1958年頃の運転免許試験では、学科と実技のみが重視され、安全運転をするための考え方や知識を求められることはありませんでした。

免許を取ってすぐにこんなことがありました。走行中に前のトラックが左折信号を出し、減速したので追い越そうとしたら、トラックが右に寄ってきて、私は対向車線に追い出され、危うく対向車と正面衝突しそうになったのです。

トラックは狭い道に左折するため、曲がりやすいように車体を右に振る必要があったのです。

この経験から、安全運転には、法規を知り操作がうまいだけではだめだと知ったのです。

そんな考えから、私はいろいろな危険場面を16mmフィルムやスチールカメラで撮影し、運転教育に用いました。

危険予知・予測の重要性は反応時間の違いでも明らかになっています。

今後も誌面で紹介するいろいろな場面での危険の見つけ方や対処法をよく覚えて、日頃の安全運転に役立てていただければ幸いです。 

 私が教習所で受けた安全運転教育でも、安全運転の際、最も重要なのは前方をよく見ることだというように教わったと思う。

しかし、前方をよく見ろというが、前方のどこを重点的に見れば良いのかの指導はなかった。

ただ、前方を注視しているだけでは、事故を未然に防ぐ事はできない。

JAFのサイトでは、この「危険予知」のテストを公開していて、JAFの会員でなくてもアクセスしてテストを試す事ができる。

自動車の運転に限らず、次に事態がどうなるかを予測する能力は自然に備わるものではない。

実体験、あるいは適切なシミュレーション体験を通じてのみ備わるものだ。その意味で、「危険予知」トレーニングは大変意味のあるものだと思う。JAFのサイトは次のとおり。

https://jaf.or.jp/common/safety-drive/online-training/risk-prediction/all-list

 たくさんの危険シーンがあるが、いずれの場合もシーンの中のほんのちょっとしたものが、次に起きる事のヒントになっている。

このちょっとしたことをすばやく見つけることができるかが安全運転の鍵なのだ。

たとえば、市街地編その1や、同じく市街地編その2の場面で、場面の中のどんな事に注意すべきなのかが一瞬で分かるだろうか。

何かが実際に起きてから反応するのでは遅すぎるのだ。

私はいずれの場面でも、動画を再生するまでもなく、最初の静止画をチラッと見ただけで、何に注意すればよいのかが分かった。

この予知能力は超能力などというものではなく、客観的な観察力がもたらすもので、鍛える事で伸ばす事ができる。逆を言えば鍛えなければ得られない性質のものだ。

ちなみに、わたしのジャフメイト8・9月号のテストの結果は、5問全問正解の100点だった。