マロ2

河川敷を散歩中に拾ってきた子犬は、拾ってきた時点で、生後3ヶ月ぐらいと思われた。
目のすぐ上に、公家眉のように見える茶色斑点があるので、この犬にマロという名前をつけた。
マロがなぜそこにいたのかはわからない。
毛並みはきれいで、野犬の子として生まれ、河川敷で暮らしていたとは思われなかった。
河川敷で暮らしていたなら、堤防ののり面で立ち往生などしないだろう。
誰かが捨てていったのかもしれない。堤防の、川とは反対の斜面は、物流センター沿いの道路に続いている。車でやってきて、要らなくなった犬だけ堤防に置き去りにするには、格好の場所だ。

  • マロ(2010年2月23日撮影)


マロは、すぐにヨシに慣れ、食欲も旺盛。食後は、ヨシと取っ組み合いの毎日。
予想通りぐんぐんと成長していった。
春4月になるころには、体重は15kgになり、体格もヨシとほとんど変わりなくなっていた。
体形、面構えは予想もしなかったいかつい感じになった。長い足と顔。体毛は短く、黒光りしている。
いかつい外見なのに、性格はいたって臆病。体格で、ヨシを追い抜いた今でも、ヨシのうなり声で、いっぺんに尻尾を巻いてしまう。
まあ見かけの強面と、ほえる時の迫力で、番犬にはうってつけではあるのだが。