全身に転移

サボテンの植え替え時期というので、たくさん集めたサボテンの植え替えを順次行っている。
今日植え替えようとした恩塚ランポーというサボテン。刺がまったくない変わったサボテンということで、オークションで落札したものだ。購入記録を見ると、去年の10月5日に1,200円で落札している。

  • 根の一部が赤い


鉢から抜いて、根を完全にほぐしてみると、一部に赤くなった部分があった。これは危険な兆候である。
本体にたくさんの水分を蓄えているサボテンは、ほとんどが水分で出来ている。この本体部分にかび、細菌などの感染を引き起こすと、腐敗がサボテン全体に及び、たいていは助からない。
感染当初だと感染した部分を切除し、切除部分を乾燥させて植えつけると、助かる場合もあるようだが、感染が進んでいると助けようがない。

  • 患部を切除


そこで、どのぐらい感染がすすでいるか、赤くなった部分を彫刻刀で抉ってみた。
赤く見えるのは、カビの一種と思われ、抉っていくと、菌糸らしいものが想像以上に深い部分にまで達していた。
赤い部分が完全になくなるまで、抉ったら、外側の皮の部分を残して、内部がほとんどなくなってしまった。
どうやら感染は、購入当初からあったと思われる。サボテンに成長の兆しがまったくなく、生気にも欠けていた。
植物の根の部分に発生した腐れなどは、実物を見てもなかなか分かるものではないから一種の不可抗力といえる。
人間の癌でいえば、一見健康そうに見えて、実は病魔が全身に転移して、手の施しようのない状態になっていたわけだ。