栽培の失敗例10

梅雨の真っ只中、調子の悪いサボテンや多肉が次々腐っていく。
今この時期に腐ってしまうのは、暑さのせいというより、暑さの始まる前から、ひそかに進行中の腐れが、ここに来て一気に増悪して目に見えるようになったということだろう。
腐敗を引き起こすのは、主にカビ菌、細菌だが、気温の高い今の時期から活動が活発になるので、この時期以前に少しでも腐れがあると、一気に腐敗が進行するというわけだ。

  • ギムノカリキウム属のサボテン(2011年6月22日撮影)


画像は、ギムノカリキウム属のサボテンの一つ。品種がよくわからない。オークションで落札したもので、「セガラエ」という名称で出品されていた。
この名称は少々怪しい。ゼガラエというサボテンはあるが、本品とはかなり趣の違うサボテンだ。
画像をよく見ると、サボテンの中心部分が変色しているのが分かる。これはこのサボテンが根の部分から腐っていき、ついに成長点まで、腐ってしまったことを示している。
このサボテンは、家に届いたときから元気がなく、植え替えしても新しい刺を出すことがなかった。いわゆる拗れた状態のサボテンだったようで、元気を回復しないまま腐った。
二枚目の画像は、このサボテンを真っ二つに断ち割ったもの。腐れがひどかったので、うまく断ち割ることが出来ず、崩れてしまった。

  • 腐った内部の状態


サボテンに腐れが進行しているのを、進行初期段階で外見だけで気づくのはまず無理で、このサボテンのように、外見に変化が現れたときには、もう手遅れである。
それを防ぐには、鉢から抜いてみて、根の状態を確かめるしかないが、たくさんサボテンを育てていると、一本一本鉢から抜いてみるわけにもいかないから、こういう事態はある程度仕方がないのだと思う。