新たな子犬たち10

5匹の兄弟のうち、最後まで家に残っていたのがコウキだった。
里親募集の記事がサイトに掲載されたのが、2月27日の午前7時40分頃。一番早い問い合わせがほぼ一時間後の午前8時54分だった。

  • 家の庭で寝そべるコウキ(2011年3月14日撮影)


そして、この里親希望者は、お見合いに、その日の午後にやって来た。実に迅速な行動であった。
そして、まだ里親がまったく決まっていない5匹の中から、真っ先にコウキを選んだ。
ところが、コウキを実際に里親希望者のお宅に届けるのは、諸事情から一ヶ月先にして欲しいという。
こちらとしては、別段、コウキを届けることを急いでいたわけではなかったので、要望どおりにすることにした。
そのため、他の子犬をそれぞれの里親希望者宅に届け終わったあとも、コウキだけが家に残っていた。

  • 里親宅でのコウキ(2011年4月24日撮影)


コウキを里親希望者のうちに届けるときには、ほとんど家の犬になっていたので、少し別れが辛かった。
それから、また一ヶ月ほどして正式譲渡契約に再び訪れたときのコウキの反応は、他のどの子犬よりも強いものだった。
私が近づいて、しゃがむと、私の懐に飛び込み、顔を舐めるは、寝転がって腹を見せてなでることを要求するはで、甘えること夥しい。
子犬のときの二ヶ月を家で暮らした、その記憶はやはり強固に残っていたのだ。