サボテン鑑賞のツボ1・・・ 刺その一

一般に栽培植物の多くは、その花を見るために栽培する。サボテンの場合はサボテンを特徴づけるその刺を愛でるのが本流のようだ。
オークションなどでは、同じ種のサボテンなら、刺がより大きいものが高値を呼ぶ。
サボテンに興味のない人には、どこが面白くて刺だらけのサボテンなんか育てるのか理解できないだろう。
私もそうだった。しかし、いったんその良さ、美しさに惹かれると、もう逃れようのないサボテン熱の始まりである。

  • フェロカクタス属日の出丸(2011年5月29日撮影)


画像は、刺がもっぱら鑑賞の中心になるフェロカクタス属の日の出丸。
幅広の赤っぽい刺が魅力である。刺が魅力の中心だから、この刺の幅が広いほど、また数が多いほど値段が高くなる。画像のものは、標準的な刺の幅と数なので、値段もそれほど高くはなかった。
ところで、こうした赤刺のフェロカクタスと呼ばれる品種は、HCなどではもちろん、一般の花屋でも目にすることはまずない。
手に入れるには、通販も扱うサボテン専門店に注文するのだが、種類の多いサボテンの場合、いつでも手に入るものではない。
とりわけ、赤刺のフェロカクタスは、扱う店が限られており、ほぼ長野県の業者のみといってよい。
何故かというと、魅力の中心の刺の色を維持するのが他の地域では、難しいからだ。
自生地はメキシコの標高2千メートル近く場所。雨が日本より少なく、年中乾燥気味。
こうした場所で育つサボテンを平暖地で育てると、その魅力の中心である刺にカビがついてしまい、著しく観賞価値を下げてしまうのだ。
今まさに、梅雨が始まり、日の出丸の刺にカビを生やさない対策が必要となる。