サボテン鑑賞のツボ4・・・本体その一

鑑賞の中心がトゲではなく、独特の形をしたサボテン本体という場合も多い。
サボテンの形やその質感、色などが鑑賞の中心になる。
これは他の栽培植物にはない鑑賞法だろう。盆栽は、植物の形を楽しむものだが、その形は人間が意図的に作り上げたものだ。
サボテンの場合、意図的に形を作っていくというものではなく、あくまで、自然に出来上がっていく形を楽しむという点で、盆栽とは趣向が異なる。

  • ギムノカリキウム属瑞昌丸(2011年5月29日撮影)


画像は、ギムノカリキウム属の瑞昌丸。
なんとも表現しにくい色のサボテン本体に整然と並ぶ小ぶりのトゲ。本体はつや消しで、これがまたなんとも渋い味わいなのだ。
なんというか、色といい、形といい、全体が和風のデザインである。
一時、こういった渋いサボテンがブームとなったことがあるそうだが、現在ではむしろ人気のない部類になるようだ。そのためか値段も高くなく、このサボテンも千円までで手に入った。
咲く花も、派手なものではなく、本体の雰囲気を壊すようなものではない。見ていて飽きない魅力を持ったサボテンである。