右か左か?2

アサガオなどのツル植物のつるの巻き方は、どのような視点からそれを見るかで、変わってしまう。
あることの右、あるいは左を決めるのは、一人一人の主観的観点だ。普段の生活の中で、右、左が問題になる時、その言葉を使った人間の視点を想像しないと、右か左かがわからない。
単純な例から、私たちが左右の区別をどのようにつけているかを考えてみる。
今、直線道路を、自分が前方に移動しているとする。このときに「左折」すると言うのは、自分の左手の側にある、直線道路と交差する道に侵入することだ。
「右折」はちょうどその逆に右手側にある道路に侵入することで、このことは誰も異論がないだろう。英語でも、"turn left、turn right"は同じことを意味する。

  • 左回りの競馬場

次に、「左回り」「右回り」はどうだろう。
自分が移動する場合の「左回り」というと、競技場のトラックを考えればよい。
トラックを円とみなせば、トラックを走る競技者は常に左へ、左へと曲がっていく。
よってこれを「左回り」と言うことにも異論はないだろう。
円運動の中心が、その運動を行う人間の左側にあるのが「左回り」という定義の仕方が明快だろう。

  • 右回りの競馬場

「右回り」はちょうどその逆、円運動の中心がそれを行う人間の右側にあることになる。
競馬場は「左回り」のところと、「右回り」のところの2種類ある。
画像は左回りの競馬場と、右回りの競馬場の例だ。
英語でこういった円運動を表現すると、"go round clokwise/counter-clockwise"となって、right/leftという単語を使わない。
英語世界では、回転運動を時計の針の動きのアナロジーとして捉えるのが一般的だ。
もうこの時点で、左と右の問題に関して、日本と英語圏の国とでは見方が違っている。