右か左か?6

縄の綯い方の右綯い、左綯いは何を基準にそう呼ぶのかは、確定した説はない。
しかし、縄を作る際、作っている人の視線から、わらの先端部分の動きが、日本式の見方による右回りか左回りかによって、右回りに見える場合を右綯い、その反対の場合を左綯いと呼ぶようになったというのが自然な解釈だと思う。

  • 画像1

縄、綱など、撚って(よって)作ったものを英語で言うとrope。紐などを含めた総称だとcordageという。
ropeにも、左綯い(左撚り)、右綯い(右撚り)の区別がある。それぞれright-handed、left-handedになる。
画像1はその、2種類を並べたものだが、SとZの文字が入っているのは、現在では、right-handed(左撚り)、left-handed(右撚り)が、混乱を招くという理由で、それぞれZ-twist、S-twistと呼ばれることが多いためだ。
混乱の理由は、日本語と英語の右、左の関係がちょうど逆になっているからだが、一体なぜなのか。このことについても、後で述べる。
日常、身の回りにあるもので、ラセン形になっているものというと、つるまきバネ、コイル、それからネジ類がある。

  • 画像2,3


画像は右巻きコイルと左巻きコイルを表している。右巻きコイルの巻き方は、ロープの場合の左綯い(左撚り)、英語のright-handedと同じだ。
実際、右巻きコイル、左巻きコイルは、それぞれ、英語では、right-hand coil、left-hand coilとなり、日本語と英語の右左の関係が、一致している。
つまり、英語圏では、らせん状の物は全て、right-hand(ed)またはleft-hand(ed)で区別する。
そして、その区別の仕方が、全ての物で統一されていて、右肩上がりの巻きかたパターンを持つものは、right-hand(ed)、左肩上がりのパターンを持つものはleft-hand(ed)とする。