クラッスラ属アルストニー


都星以上に入手も夏越しも難しいのが画像のアルストニー。ネットでアルストニーと入力して検索を掛けても、もうひとつ別の種類のアルストニーのほうがたくさんヒットする。
この一株だけでは枯れたときに、また探すのが大変なので、ときどきはネットで検索を掛けて、どこかで売っていないかと探してみるが、ショップで販売されていたためしがない。
ところで、この検索のときに興味深いサイトに出くわした。
ある多肉栽培のグループのサイトの記事。以下に引用してみる。

この夏の反省

 冬越しが楽な品種は夏越しが難しいという場合が多いものです。冬型植物といって秋から春が生育期にあたる植物の中に、特に夏越しがめんどうなものがあります。相当経験を積んだ人でも、失敗した事例はあるようです。
 エケベリア デレンベルギー、ルンデリーなど。クラッスラ 麗人 都星。オロスタキス 富士。シノクラッスラ 四馬路。クラブトベタルム 黒奴。コノフイツム ブルゲリー。デインテランタス全般。アナカンプロセス アルストニー。ムイリア ホルテンセ。ケイリトプシス 神風玉。オトンナ ミニマ。etc.これらが難物です。
 何年やっても失敗の連続で、今年こそはと思ってもまたまた。
 結論は、夏越しは置き場所にあるようです。涼しい風通しのよい場所を作り出すのも、技術の内だという人もありますが、それは環境次第で、まったく無理な話でしょう。
 だからシクラメンは、大都会を離れて、信州や日光などの高原で夏越しをしてから、市場へ出荷されているのです。予算があれば、東京でも日光の環境を作り出せるでしょう。でもそれは、技術でなくてお金なのでしょう。
 私たち趣味でやっている者たちとしては、あまりお金をかけない夏越しの工夫をしたいものです。
 夏越しは置き場所で決まると云いました。寒冷紗で日除けしても、半日陰の棚下に置いても、高温になる場所では、やがて枯れてしまうのです。
 どこがいけないのか、二つの異なった、まったく環境の違った場所に、同じ種類のものを置いて試してみることにしました。
 ①2階のベランダに建てた温室。真夏は寒冷紗30%2枚をかけ、棚下に置いた。
  エケベリア ルンデリーは、連日の30℃に耐えきれず昇天。
 ②南側一階の窓辺に置いたエケベリア ルンデリー。真夏の直射日光が当たる東風のよく当たる涼しい(?)場所らしい。毎日水やりしても、元気に夏越し、この二つの例から、次のことがわかりました。
  ・半日陰の場所も風通が悪いところではダメ。
  ・植え替えを怠って根つまりしたものは、水遣りでもダメ。
  ・風通しの悪い場所では、春の連休明けから断水してもダメなものがある。
 (原産地からの考察)
   サボテン・多肉の原産地は
  ・強烈な風が吹いている。日除けはない。岩陰や大木、くさむらに生えているのもある。
   生えている場所の土は、下は粘土とか砂、上は粗い砂、小石など。
  ・朝夕夜は冬、日中は真夏といった具合に気温の差が大変おおきい。
  ・夕方から朝まで、濃霧が立ちこめる。
 よく原産地の気候を参考にして、なんて云う人がいますが、まったく参考になるものではないようです。
 熱帯夜が幾日も続く大都会では、真夜中でも30℃近くの日があり、風もない蒸し暑い日が続いたのでは、冬型の植物はひとたまりもありません。
 いっそシクラメン並みに、高冷地で夏越しを考えたほうが、いいかも知れません。それが無理なら、どこか近くの家の、東風の入る軒下を借りるようにしてみたらいかがでしょうか。それもダメなら、鉢から抜いてよく乾かし、新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜入れ場にでも仕舞っておいたらいかがなものか。涼しくなったら出して植えてやりましょう。

記事は埼玉在住のこの会の会員によるもので、会報に出たのは、1999年11月。現在はこの記事のころより、夏の平均気温がさらに上がっている。
記事の最後の記述はもう、やけくそと思える内容。
この方が言及しているシクラメンの夏越し。実は平暖地でのシクラメン、といってもガーデンシクラメンではない大型のシクラメンの夏越しは、ちょうど冬型クラッスラの夏越しのコツとそっくりなのだ。
私はこのシクラメンの夏越しに一時情熱を注ぎ、あらとあらゆる手法を試みた。そしてたどり着いたのが、今多肉植物の夏越しに使っている二重鉢栽培なのだ。