秋の始めのフェネストラリア

ようやく秋らしくなってきた。日中の最高気温は30℃近くまで上がるが、湿度が低く、朝晩は寒いくらいなので、過ごしやすい。
さて、夏も屋根の上で直射日光を浴びていたフェネストラリアの今の状況はというと。

最初が徒長してしまった群玉。
突然の雨で、鉢土に潅水したのと同じぐらいになってしまい、その上、そのまま一晩過ごしたら、一気に徒長。身割れもしてどうなるかと思った。
徒長した葉は、その間から新しい葉を出さずに枯れ落ちることが多い。
そうなると、株が縮小するから、徒長した部分が多ければ多いほど株の縮小は急速に進む。
徒長して、身割れした葉の間から新しい葉が出てきて一安心。このまま日に良く当てれば、株は順調に生育するだろう。

二枚目は、うちにあるフェネストラリアの中で、私が考える理想に近い育ち方の朱鈴玉。
用土に全く肥料が入っていないので、成長はきわめてゆっくり。一ヶ月に一度ぐらいの割りで、新しい葉が見えてくる。
自生地はリトープス冬型と同じ地域。メセンの常識でいえば、夏休眠ということになるはずだが、夏に休眠などしない。
これまでとは違った方法でフェネストラリアを育て始めて、まだ一年にならないが、ここまでの栽培で、一応の感触は得られた。
その感触を要約すると、以下のようになる。ただし、これはフレームや、大型ビニールハウスでの栽培によるものではないことに注意。
こうした環境での栽培と、家のような屋根の上栽培では、栽培ポイントは全く違うだろう。
1. 夏も含めて、年中良く日に当てる。夏もなるべく直射日光に長く当てる。ただし、鉢土の温度が最高で40℃を超えないようにする必要があり、プラ鉢での栽培だと遮光しないと無理。
2. 水遣りは年間を通じて、ほとんど行わない。その日一日、晴れが続くようなときに限り、潅水する。
3. 潅水は行わないが、晴れた日の朝には必ず霧吹き等で、表土がしっとりするぐらいの湿り気を与える。
4. 鉢土に肥料は入れない。
5. 潅水を控えていれば、生じないことだが、葉がパンパンに膨れるような状態にしない。窓と呼ばれる部分に若干のしわが寄っている状態が健全。

3枚目の画像は、ケイリドプシス属神風玉。上記のフェネストラリアとほぼ同じ栽培で夏を過ごした。
自生地が近いので、同じ栽培法でいいはずと考えてのこと。
一番新しい葉にも、しわが寄って、家ではこれが通常の姿になった。寄りっぱなしのしわはもう取れないかもしれない。
ケイリドプシスに関しては栽培経験が少ないので、なんともいえないが、これで新しい葉が出て、花も咲くようなら、この栽培法でいいことになる。