comeとgo スピンオフ編#3

公開質問サイトに質問を投稿した人が手に入れたバッグのデザインがどんなものだったのかどう調べるか。
そこで、検索ワードを「bag "go with me"」として検索してみた。
ヒットした中で、画像検索結果が出ていたので、それを開いた。たくさんのサムネイル画像が現れ、それぞれの画像に関連した文章が少しだけ示される。
ざっーと見ていくと、中に"go with me"が使われているものがいくつかある。その中のひとつにはこうあった。
"My tried-and-true backpack and Messenger bag that always go with me to Europe!"
"go with me"の主語は関係代名詞のthatだから、実質は"messenger bag"が主語になる。
また別のサムネイル画像にあったもの。
"I've looked at a few diaper bags, and I have not bought one yet because they just seem soooo not my style. A diaper bag is something that will go with me EVERYWHERE."
それぞれの画像をクリックして、大きくなった画像の横の[このページを表示]をクリックするとその画像が張られているページが開く。
実際にそれらのページを見てみると、いずれも英語ネイティブのブログだった。この二つ以外にも、"go with me"を使った文章がどんどん出てくる。
おもしろいと思ったのは、幼児用のポータブル椅子の商品紹介のページで、タイトルが"Go With Me Chair"だった。
この"go with me+名詞"という表現、なにもこの商品の専売ではないようで、他の商品紹介でも使われていた。
日本語で言うなら、「お出かけ…」とか「どこでも…」というような感覚の使い方だ。
物を主語としてgo with meを使うのは、ごく普通のことらしい。
英和辞典に物を主語にしたgo withの項目がある。しかし、これは人をwithの目的語にした場合、その人にそのものがマッチしているとか、似合っているという意味で用いる。
しかし、上記のサイトでの使い方はそういう意味でないことは明らかで、「そのbagの持ち主がいつも携帯する」という意味の使い方だ。こんな使い方、辞書をいくら引いても出てはこない。
ちなみに、文法的なことを言うと、「似合っている」のgo withは状態動詞であり、上記ブログの使い方は動作動詞だ。
物が主語で、しかも動作動詞として使うとは。ということは、質問サイトの回答4にあったように、ものであるbagを擬人化した表現?
ところが、良く考えてみると、どうもおかしい。そこで、ネイティブのブログにあった表現を次のように書き換えてみる。
My messenger bag always goes with me to Europe.
これは持ち主であるmeの視点から見た表現で、my messenger bagを擬人化してIで置き換えると、この文は次のようになる。
I always go with you to Europe.
つまり、問題のbagの"Go with me"が、そのロゴが描かれているbagを擬人化して口にした台詞だとすると、"Go with you"でなければならない。この文は形は命令文でも、実際は"I'll go with you."のことで、どこかに出かける人を見て、「一緒に行く!」と叫んでいることを表している。
命令文と取ると、goの主語がyouなので、"You go with you."となっておかしなことになる。そのときは"You go with me."にしなければならないが、、バッグのような物を主語として、そのものが人に対して"go with me"とするような文例はひとつも見つからなかった。
うーん、やはり、元のかばんのデザインをどうしても見てみる必要がある。