ポケモンGO狂想曲1

ただのケームにいい大人、いや社会全体が振り回されるとは。いやはや何たる時代と呆れ顔の人たちはもはや時代遅れの遺物なのだろうか。
無視できないほどの社会現象となっていることを受け、先日、読売新聞8月2日付け朝刊は、3人の識者の感想を記事にしていた。
その中の一人、慶応大学教授 岸博幸氏の意見を引用してみる。

新技術競争 日本に勝機


ポケモンGOの大ブームはいつか終わる。もしかしたら、それはこの夏かもしれない。たが、今回の流行は少なくとも、一つの重要なことを証明してくれた。
スマートフォンと拡張現実の組み合わせは、よくも悪くもすごい破壊力をもちうる点だ。
今後はポケモンGOのいろいろな「進化形」が登場するだろう。それらは経済や社会を活性化させる可能性も秘めていいる。
この新しい分野を制するのは誰になるのか。
インターネットの世界は米国IT企業が牛耳っている。検索ならグーグル、ソーシャルメディアならフェイスブック、ネット通販ならアマゾンだ。スマートフォンの基本ソフトはグーグルとアップルが握っている。
どれも世界中でシェアを広げ、私たちは依存せざるをえなくなった。ネット社会の基盤となるこうしたサービスはプラットフォームと呼ばれ、一番もうかる。お金はプラットフォームを制した米企業が吸い上げる。
ではポケモンGOはどうか。
任天堂は賢い選択をした。これまではゲームもゲーム機も自社で囲い込んで作ってきたが、もうそれでは生き残れないとわかっていたと思う。ポケモンもブームがほぼ一巡くしていた。
そこでスマホの広い世界に飛び出し、ARの技術と組み合わせることで、世界中の多くの人に改めてポケモンを思い出してもらった。ポケモンを再生させたこの判断は評価できる。
ただし、任天堂の稼ぎは少ない。ポケモンのキャラクターを使ってはいるが、ゲームを開発し、運営しているのはグーグルから独立したゲーム会社ナイアティックだ。儲けの多くはこの会社に行ってしまう。
この構図は、ハリウッドが日本の原作を安く買いたたいて映画化し、大儲けするのと似ている。残念だが、任天堂はある意味で下請けともいえる。
だが、すまほとARとゲームの組み合わせという新しいプラットフォームを巡る戦いは始まったばかりだ。日本は今後、十分に戦っていけると思う。
まずARの技術は米国の独壇場ではない。日本には優れた研究者が多い。加えてポケモン以外にもいいキャラクターをたくさん持っている。ゲームに関しては経験のある企業も多い。
この分野には人工知能やモノのインターネット(I0T)も今後からんでくるだろう。どちらも日米独が覇権をめざして競い合っている段階だ。
これらの新技術も取り込み、いかに面白くて創造的な日本発のプラットフォームを作っていく。それが今後の課題だ。

上記の意見に対する、私の感想は次回に。