からだのことS2#8

私が腰痛体操でする種目について書いてみる。
その前に、私の場合の腰痛の原因について書いておいた方がよさそうだ。
腰痛の原因は様々あり、原因が違えばその予防対策も違ってくるからだ。
私の場合、腰痛の原因はたぶん次のサイトで説明している「筋・筋膜性腰痛」というもの。
https://yo-tsu.org/kouzou.html
筋肉や、筋膜に炎症や捻挫を起こすものだから、レントゲンはもちろんのこと、MRIでも画僧にはその様態は現れない。
原因はこのサイトにもあるように、疲れやすい大腰筋と脊柱起立筋によるものだろう。
この二つはいわゆる拮抗筋の関係にあり、両方がバランスして初めてまともな直立ができる。
座りっぱなしの姿勢だと、大腰筋は縮みっぱなし、脊柱起立筋は伸びっぱなしとなり、特に伸びっぱなしの後者に疲れがたまりやすいのだと思う。
労働時間のほとんどを座ったままのデスクワーク主体の人や、タクシーの運転手などは私と同じ種類の腰痛を抱えやすいことになる。
前かがみの姿勢はいずれ骨盤の後傾につながり、これにより、脊柱全体の前かがみ状態を固定してしまうことになる。そして、そのことが一層、先の二つの拮抗筋の状態の固定化につながるというった悪循環に陥る。
これを解消するには、二つの拮抗筋である大腰筋と脊柱起立筋のトレーニングが必要ということになる。
ただ、体を前屈(大腰筋)または後屈(脊柱起立筋)させる筋肉には、上記の二つの拮抗筋以外にもいくつもの筋肉がかかわっているので、それらの筋肉全般のトレーニングになる。
筋肉トレーニングには、性質の違う二つのものが必要だ。
1. 筋肉の力を増大させるトレーニング。(筋力トレーニング)
2. 筋肉の柔軟性を高めるトレーニング(ストレッチ)
上記二つのトレーニングは目的が違うから、トレーニングの種目も違ったものになる。
また、それぞれのトレーニングにも二つの異なったものがあるる。
まず、1.だが、筋肉の一瞬に出る力を増大させるトレーニングは、筋肉に大きな負荷をかけ、繰り返しの回数を少なくするトレーニングをすることになる。
いわゆる一セットの回数は15回どまり、それを途中に休憩を入れ、3セットほどこなす。
もう一つの筋肉トレーニングは筋持久力を高めるもので、あまり大きな負荷をかけず、回数を多くこなすトレーニングになる。
これは、繰り返しの回数は最低でも20回くらい。これを5セットほどこなす。
腰痛体操としては、前者は不適切、後者のように負荷が強くない種類のエクササイズを回数をこなしてやることになる。これは、有酸素運動という点でも後者の方が優れている。
次に2.のストレッチ。これにも2種類のストレッチ法がある。
1. 動きを止めずに行うストレッチ(ダイナミックストレッチ)
2. 筋肉を伸ばした状態で動きを止めるストレッチ(スタテックストレッチ)
腰痛防止のためのストレッチとしては、こちらも前者は不適切。
前者はアスリートなどがそれぞれの競技での必要性から行うもので、腰痛防止とは目的が全く違う。
このストレッチ法は準備体操や柔軟体操として、筋力トレーニングの前などに行われることもあるが、筋肉トレーニング1とストレッチ1の組み合わせは腰痛防止には全く役に立たないどころか、このエクササイズが腰痛発生の原因になりかねない。
私は若いころ、ボディビルをしていた時期がある。
そのころのトレーニングといえば、まさしく上記の1と1の組み合わせ。
その結果、トレーニング中に何度もぎっくり腰を起こし、その後、ボディビルしなくなってからも、何十回ものぎっくり腰を起こす羽目になった。
筋肉を太く大きくするには、絶対的に筋肉トレーニングは1.でなくてはならず、ストレッチも当時の知識では、2の方法は全く知られておらず、腰痛を起こすのは鍛え方が足らないからだと勘違いしてしまったのだ。