ダルマインコの里親探し15

ダルマインコのアイちゃんの里親募集記事には、10件を超える応募があり、お見合いにこられたのはそのうちの4組だった。

一方のオカメインコのオカちゃんの里親募集には応募があまりなく、5組ほどの応募で、実際にお見合いにこられたのはそのうちの一組だけ。

その一組という方はアイちゃんの里親募集にも応募していたので、アイちゃん、オカちゃんの里親募集記事に応募して、実際にお見合いにこられたのは、合計4組だけということになる。

実際にお見合いにこられた人たちをインコたちを収容していた部屋に案内すると、一様にキボウシやヨウムもいることに驚いた様子だった。

インコやオウムの飼育に関心のある人たちにとって、キボウシやヨウムは知っていて当然の鳥のようだ。

これらの人たちの次の反応は、アイちゃんに会いに来たはずなのに、そっちより、キボウシやとりわけ、ヨウムのダイちゃんのほうに関心が移ってしまったことだ。

元々、ヨウムやキボウシの里親を、家にお見合いにやってきた人の中から見つけようという作戦だったから、これは作戦が図に当たったといえばいえるのだが、なんだかアイちゃんには、申し訳ないような気がした。

最初と二番目にお見合いにこられた家族も、ヨウムに関心しきり。いずれの家族もインコやオウムの飼育経験も、飼育環境も申し分ないものだったので、どちらかの家族に里親になってもらうことにした。

予想外だったのは、二番目にこられたご夫婦が娘さんのために、インコたちの画像を撮影して見せたところ、その娘さんがクビにカラーをしたツキちゃんの姿が痛々しいといって、泣き出したという連絡をもらったこと。

で、結局、そのご夫婦は、希望したヨウムだけでなく、キボウシとそのパートナーであるツキちゃんも揃って引取りを申し出られた。

ヨウムのダイちゃんとキボウシのマイちゃんは、単におしゃべりをするだけでなく、二羽が掛け合いで童謡ハトポッポと雨降りを歌う。

まずダイちゃんがイントロよろしく、「ポッポッポー」と始めるとそれを受けてマイちゃんが「ハトポッポ豆がほしいかそらやるぞ」と受ける。

最初の部分は逆バージョンもあり、マイちゃんから「ポッポーポー」と始める場合もある。

なぜか最後の「みんなで仲良く食べに来い」の部分はどちらも歌わないので、うちにいる間は私が最後の部分を歌っていた。

そういう事情があるため、私は内心では、ダイちゃんとマイちゃんの掛け合いをずっと続けてもらいたいと思っていたから、3羽同時の引き取りは私の望みどおりの展開だった。

里親募集の記事を出したアイちゃんは最初にお見合いにこられた方が引き取りを希望されたのでこちらのほうも一件落着となった。