ダルマインコの里親探し epilogue 2

前回記事まででインコたちの里親探しは一段落となった。しかし、もう一つ書き加えなければならないことがある。それは、インコたちの元の飼い主のその後のことだ。

10月19日に入院したと前回記事に書いたが、その後の経過については述べていない。

実は、元の飼い主の女性は11月12日の午前中に病院で亡くなった。

訃報はある司法書士事務所からもたらされた。

12日の午後4時ごろ、一本の電話がかかってきた。着信履歴のない電話番号からのもので、普段なら、こういう電話には出ないことにしているのだが、この時は出たほうがよい電話だと感じ、受話器をとった。

電話の相手は、N司法書士事務所のTと申しますと名乗った。

司法書士事務所から電話がかかってくることに心当たりがないので、どのような用件かとたずねると、「お知り合いのOさんが、今日の午前11時にH病院で亡くなられました」と言った。

この知らせを聞いたときの正直な感想は「ああ、やはり亡くなったか」というものだった。

しかし、「やっぱり亡くなられましたか」というようなことは問題発言なので一応は驚いたようなことを口にした。

相手はさらに、「つきましては、明日、13日の午後6時からお通夜ですので、Mさんにご出席いただきたいのですが、ご都合いかがでしょうか」と聞いてきた。

元の飼い主には、身寄りがなかった。それで自分の死亡後のことを電話をかけてきた司法書士事務所に委託していたのだろう。

近所づきあいも限られていたようで、通夜の出席者は少人数だと思われ、赤の他人ではあっても、生前にかかわりがあった私に声がかかったのだろう。

前回記事でも書いたが、元の飼い主とあるスーパーでばったり、出会ったことからインコたちの里親探しは始まった。

そのときのこともこのシリーズの最初に書いたが、その記事には書かなかったことがある。

それは、もうその時点で私は、元の飼い主の寿命がつきかけていることを確信していたということだ。私のこの手の予感はよくあたる。

だからこそ、元の飼い主が飼っている犬やインコの里親探しに手を尽くしたのだ。

最後まで残ったオカメインコのオカちゃんに里親が見つかったのことを報告した際に、元の飼い主は「よかった、よかった」を何度も繰り返した。

今から思い返しても、元の飼い主から、オカちゃんの里親さんの元にもらわれていくタイミングはまさしく、ぎりぎりセーフといえるものだった。

オカちゃんの里親さんから、先日、画像付きのメールが届いた。その画像は里親さんのお母さんの遺影にささげられたチョークアートだった。

里親さんのお宅で飼われているペットたちが勢ぞろいした絵に里親さんのお母さんも喜んでいると思われる。

今回の一連の記事の最後を飾るのにもふさわしいと思うので、その画像を貼り付けておく。

f:id:eriosyce:20211118122925j:plain

チョークアート「オカちゃんとその家族」