日本人の英文法2

  • 現在形と現在進行形

英語の現在形、現在進行形の区別に関し、先の「日本人の英語」P100から抜粋すると、「おなじ日本語の『〜している』でも、英語で表現すると、習慣的行動であったら『現在形』に、継続的状態であったら『現在進行形』にすればよいというわけである」とある。
これは正しいのだろうが、こんなことは学校では習わないし、習ったとしても、具体性にかけ、英語を話す場合には、もちろん、英語を書く場合でも、判断に迷うだけだろう。
日本語で、「〜している」と表現する場合を、状況別に分類してみると以下のようになる。
1. 現時点で、(a) その動作が行われている、あるいは、(b) 瞬間的動作の場合、その動 作を繰り返している場合。
例: (a) 彼は眠っている。(b) 彼女は、ペットの猫をなでている。
2. 現に今、行ってはいないが、一時的な習慣的動作。
例 (a) 彼は新しい作品に取り組んでいる。 (b) 父は医者に通っている。
3. 習慣的動作、継続的または永続的状態をあらわす。
例 (a) 彼は、建設会社で働いている。(b) Aさんは、長野に別荘を持っている。
  (c) その子は、父親にとてもよく似ている。
それぞれの場合を英語で表すと、1. 2.は現在進行形、3. は現在形で表す。
注意しなければならないのは、「日本人の英語」の抜粋部分には、説明の足りない部分があり、抜粋部分の前に、「動作動詞を使う場合には」という断りをつけなくてはならないのだ。
状態動詞を使う場合は、通常は進行形を使わず、現在形で、現在の継続状態を表現する。しかし、この状態動詞と動作動詞の区別が日本語にはないから、日本人の多くが両者の違いそのものが理解出来ない。
さらに、日本語の場合、2.と3. の区別もない。自己紹介の英語で挙げた"I am working for a △△△company."などの使い方は、この2.と3.の場合の混同が原因といえる。