英語の公用語化論4

会話の場合、文法上の問題のほかに、発音のまずさ、聞き取り能力の低さなどが加わる。
しかしこういった問題点も日本人同士の英会話の場合、これまた問題になることがほとんどない。
同じ日本人の英語の発音は似たようなものだから、発音のまずさはお互い様で、むしろそうした発音のほうが日本人には聞き取りやすい。
よく、英米で使う英語だけが英語ではない。インドやフィリッピンには、それぞれの国の独自の発音で英語を使っているのだから、日本人が日本語式発音で英語を使うことに問題はないなどという議論を聞くことがある。
日本人同士が英語を使って情報交換をすることが、実際問題、起こりうるのだろうか。。
不自由なく使える日本語を差し置いて、わざわざ稚拙な表現しか出来ない英語を使う必要などどこにもないからだ。
実際、英会話のサークルなどでも、会員同士の連絡の取り合いが英語でなされることはまずない。英語だと間違った表現のため、誤解が生じる恐れがあり、連絡事項が重要であればあるほど、日本語による連絡でないと危険だからだ。
つまり、日本人同士が英語を使うのは、会話サークル内での会話のためのセッションのときだけだ。
その場限りの会話だから、言い間違いがあっても、しっかりと聞き取れていなくても、それが問題になることはまったくない。しかし、その場限りの会話は本当の意味のコミュニケーションではない。
こうしたいわば、日本人英語は、ネイティブとの会話では、数々の問題を引き起こす。
早い話、自分の言いたい事が相手に伝わらない。相手の言っていることが、聞き取れないか、または聞き取れたとしても意味が分からないといった事態となる。
また、ネイティブの側からしても、日本語からの直訳に等しい英語では、理解が難しいか、あるいは誤解してしまう可能性が高い。ネイティブ相手に通用しない英語では、その実用性はほとんどない。