サボテン鑑賞のツボ・・・本体その六

植物は、茎や葉に葉緑素があり、そこで植物の維持、成長のための栄養素が合成される。ところが本来あるべき葉緑素がなくなり、その部分が白っぽく変色して見えることがあり、こうした個体を斑入りという。
この時期に、多くの軒先を飾る朝顔の葉っぱが、白い模様入りになっているのを見かけることがあるが、これも斑入りと呼ばれている。

  • ギムノカリキウム属良寛


サボテンの葉は刺になっているから、斑入りはその本体に現れる。こうした斑入りのサボテンばかりを集めている人もいるようだ。
斑入りは偶然の産物だから、二つとして同じ模様のものがない。大理石のように、複雑な模様が、球体全体を覆うようなものはめったに見かけることがない。そうした個体は、当然ながらオークションでも高値をつける。
サボテンの場合、斑入りのものは、品種名の後に「錦」をつけて表す。

  • ギムノカリキウム属翠香冠錦


家にも斑入りサボテンがいくつかある。一枚目の画像はそのうちの一つで、ギムノカリキウム属の良寛錦。なぜこんな名前なのかは知らない。斑の入り方は全体に散らばっていて、なかなかいいと思う。
二枚目は、ギムノカリキウム属の翠香冠錦。球体の緑の部分がほとんどない。これで成長できるのが不思議だ。
葉緑素がないから、直射日光に当てると確実に焼けてしまう。かといって完全な日陰はだめだから、斑入りは結構育てるのに神経を使う。