日本人の英作文25



英語のcomeとgoの意味をここで一度整理しておくと、comeの方は、話し手(自分=I)と相手(you)がお互いに接近しあう状態にあるとき、動作主がいずれの場合であれ、その動作主の動作を意味している。
そして、goの方は、comeのちょうど逆に、話し手(自分=I)と相手(you)が、お互いに離れ行く状態にあるとき、動作主がどちらであっても、その動作を意味する。
ここで一つ注意をしておく必要があるのは、話し手(自分)が動作主で、A地点からB地点に移動する場合、その動作はA地点から見た場合、そこから離れ行くわけだからgoになるが、B地点から見れば、接近してくるからcomeになる点だ。
つまり、相手(you)がA地点にいる場合、その相手に対して、話し手は自分の動作をgoを使って表すことになるのに対し、相手(you)がB地点にいる場合、その動作をcomeを使って表さなければならない。
日本語では、自分が動作主である場合、移動することは「行く」としか表現しないから、相手がA地点、B地点のどちらにいても、向かっているのがB地点であれば「Bへ行く」と表現する。
これを英語でB地点にいる相手に"I'm going to B."と表現すると、B地点にいる相手は、この英語をどう理解していいか、解らなくなるだろう。
無理にこれを訳すと、「私はあなたのいるB地点からどんどん遠ざかって、B地点に向かっています」といっているようなもので、まったくの意味不明の英語なのだ。
このせりふはA地点にいる相手に向かって言うべきで、これなら意味が通じる。
その場合は、同じせりふが「私はあなたのいるA地点からどんどん遠ざかって、B地点に向かっています」という意味になるからだ。