南アフリカの多肉植物9


画像はフェネストラリア属五十鈴玉の自生地、南アフリカ北ケープ州の海岸近くの町、Alexanderbayの気候グラフ。
一年中ほとんど変わらない気温、極端に少ない降水量と日本のどの地域とも異なる気候。こんな場所に育つ植物を日本で育てようというのがまちがっているのかもしれない。
暑い、寒いは、栽培する場所の移動や、温度調節で何とかするとして、さて、灌水はどうするのがいいのか。降水量を見る限り、一年中まったく水を与えない?
降水量だけ見るとそう考えられるが、自生地の気候に関するデータを色々調べると、当地は湿度がなり高い。
大西洋からの海風の影響だろう、一年のうち、かなりの日数、霧が発生するようだ。雨は降らなくとも、空中湿度がいつも高い。
霧がもたらす水分は、雨のそれとは違って、地表をほんの少し湿らす程度だ。それを何とか無駄にしないように、五十鈴玉は植物体のほとんどを地中に潜らせることで環境に適応したようだ。

  • 自生地でのフェネストラリアの様子

二枚目の画像は、現地でのフェネストラリアの様子。葉の先端、窓と呼ばれる半透明の部分だけを地表に出している。
この画像はあるブログからの拝借だが、そのブロガーいわく、画像の状態でも植物体がかなり地表に出ているほうらしい。
植物体を地中に潜らせれば、せっかく取り入れた水分を乾燥によって失うことが少なくなる。かといって、それでは、太陽光を利用する光合成が出来なくなる。
そこで、フェネストラリアは葉の先端を半透明にすることで、地中にある葉緑体に効率よく光を届かせるように進化したのだろう。