challenge再び2

「チャレンジ」に関して、最近興味深い記事を読んだ。以下がその記事の引用。

「チャレンジ」行使 日本に合う?
大リーグの開幕を現地で見ましたが、昨季とは違う光景がありました。
監督が「チャレンジ」するのです。
本塁打だけだったビデオ判定が、ストライク、ボール以外のほぼすべてのプレーに拡大され、監督は1試合に1度、ビデオ判定を求める「チャレンジ」の権利を与えられたのです。監督が、この権利をいつ使うかが、試合を左右するポイントの一つになるような気がします。ヤンキース田中将大投手の初登板の試合では威力を発揮しました。1点を追う三回二死二塁で、イチロー選手の内野ゴロがチャレンジの結果、内野安打になりました。(後略)

上記記事は元大リーグの選手で、現在は野球解説者の田口壮氏による読売新聞の記事だ。
さて、記事中の「チャレンジ」はよく使われる「チャレンジ」または「チャレンジする」とはずいぶん意味が違う。だからこそ、記事では、引用符を付けたのだろう。
記事中の「チャレンジする」は審判の判定に「異議申し立てする」ことで、これは、英語のchallenge(動詞)の代表的な意味の一つである。
この制度、日本人なら直ぐぴんと来るだろうが、大相撲の「物言い」と根本的にはまったく同じものだ。
だとすると、大リーグのこの制度も「物言い制度」と呼ぶようにすればいいのにと思うのだが、どうやら日本では、この制度のことを「チャレンジ制度」と呼ぶことにしたようだ。
これまでに「チャレンジ」または「チャレンジする」と表現されてきたものを英語のchallengeで表現できる場合はないことを当ブログの過去の記事で述べたが、今回の「チャレンジ」は英語のchallengeをそのままカタカナに置き換えたものなので、当然ながら「チャレンジ=challenge」の等式が成り立つ。
つまり、「挑戦(名詞)=challenge(名詞)」が成り立つ場合があるように、「チャレンジ(する)」にも新たな意味が加わって、「チャレンジ(する)=challenge(noun or verb)」の等式が成立する場合が出てきたことになる。