日本人の英作文2017-1

タイトルのシリアルは新年に合わせて新しくしたが、内容は去年からの「キツネのハンカチ」の続き。
今回の課題個所と作文例は次の通り。

課題個所
「たいせつなものって?」
「ハンカチです。でも、ただのハンカチじゃありません。お星さまをみがくためのものです」
「なんだって?」
平井さんが、思わず目をまるくすると、キツネは、とくいげに言いました。
訳文
"What is the important thing?"
"Handkerchief. But it is not an ordinary one. It is the thing for polish stars."
"What?"
He involuntary opened his eyes wide. Then the fox proudly said,

「ハンカチです」の部分は、"A handkerchief."と冠詞をつけるべきだろう。
冠詞をつけるつけないは選択的ではなく、可算名詞には不定冠詞か定冠詞のどちらかをつけるのが英語の原則だ。
ところで、話がここまで進んで、大切なものは一つしかないことが明らかになった。
だから、前回の課題部分での゜大切なもの」は単数形の"an important thing"にしておくべきただった。
「お星さまをみがくためのものです」の部分。
訳文の英語だと、polishをpolishingに替えても、thingの部分がおかしい。これでは星磨きの道具はそれ一つしかないことになる。
その前の文で種類物を表すoneを使っているのだから、ここもoneを使って"It is the one for polishing stars."とすればよかった。
もっともこの場合でも、星を磨くためのハンカチはそれ一つということになってしまう。
まあ、童話だからそれでもいいのだが。
「目を丸くする」は、訳文の表現でいいと思う。ただ、「思わず」をどう表現するかは検討の余地がある。
「思わず」ということで、例の"can't help 〜ing"が使えないかということで検索をかけてみた。
しかし、"couldn't help opening..."の検索には一つもヒットがなかった。
ついでに訳文のような"involuntarily opened..."と副詞を使った表現も一つもヒットがない。
つまり、この表現はそもそも驚いた時の決まり文句なので、余計な言い回し、副詞は必要ないようだ。
訳例では別の表現でこの場面を英訳してみた。

訳例
"What do you mean by an important thing?"
"A handkerchief. But it is not an ordinary one. A special one for polishing stars."
While the man was stunned by what the fox said, he proudly continued his talk.