リトープスの実生(ちょっとしたコツ)

これまで実生は何度も試みた。しかし、あまりうまくいったためしがない。
今回はこれまでの失敗を踏まえて、大人株ではまず手に入らないリトープスの実生をすることにした。
種を入手するには、リトープスの場合、海外の種子会社から個人輸入するのがいいのだろうが、クレジットカードを持っていない場合、これが難しい。
そこでヤフオクにこうした海外の種子会社から輸入したと思われる種子が出品されるのを待ってこれに入札するのだが、こちらの希望する種子とは限らないし、輸入してからどのぐらい経過したのかもわからない。
これまでの経験から古い種子はやはり発芽率が大変悪いし、発芽してもたいてい成長せず消滅してしまう。
9月になって、リトープスの種の撒き時に合わせるようにヤフオクに種の出品が相次いだ。
その中に興味を惹かれるものが結構あったので、久しぶりに実生してみることに。
リトープスに関して記事のあるいくつかのブログでも実生の記事が出ていた。
その中には発芽したリトープスの根が表土の外に長く伸びてしまっているものがあった。
これは、家の実生リトープスにもよく見られる現象で、そうなった苗の多くは成長せずに消滅してしまう。
何とかこうした苗を助けたくて、掘り起こして、根を深く埋め戻してもたいてい枯れてしまう。小さい苗の根は、とても繊細で、起こして植えなおすというストレスには耐えられないようだ。
あるリトープスブログでは、何もせずにそのまま見守るという方針。植えなおしてもダメならそのままにしておいて、自然の成り行きで助かるものは助かるというのは一つの選択。
もう一つのブログでは、自家採種したたくさんの種を実生したところ、苗と苗の間隔が詰まりすぎて、そのままでは、どの苗もうまく成長できなさそうということでたくさんある苗の植え替えを敢行した。
その数200超。ギチギチに詰まった苗同士を土をほぐしてばらばらにし、さらにこれを一つずつ間隔をあけて植え替えていく。
考えただけでいやになるような、神経を擦り減らす面倒な作業だ。
そして、それだけ苦労してもかなりの苗がダメになる可能性が高い。
たくさんの種を蒔いた場合だけでなく、少数の種にもかかわらず、苗と苗の間隔が詰まりすぎるというのはよくあること。
それで、私は播種の時にある工夫して撒いて、苗同士の間隔が詰まりすぎないようにしている。

  • 魔玉と寿麗玉

  • 大理石、緑紫薫、小型柴薫


一枚目の魔玉と寿麗玉はいずれも50粒ほど撒いたもの。
一部、苗と苗が接近しているところもあるが、ほとんどは適度に散らばった状態で発芽している。
二枚目の画像、下側の区画にはリトープスの大理石の種を蒔いた。
20粒撒いて18個発芽して、順調な成長をしている。根が表土に長く伸びることもなく、苗同士が詰まりすぎてもいない。
これは、撒くときに、小さい皿に少し水を入れ、その中に種を泳がせて、一粒一粒、スポイトで吸い上げて、あらかじめ、頭の中で想定しておいた場所に種を蒔いたからだ。
面倒な作業だが、後で苗を掘り起こして植えなおす作業に比べれば、格段に簡単。
根が表土の外に長く伸びるのは、上の画像の鉢でも一部の苗に生じた。
その時に、非常に目の細かい篩(ふるい)で砂をふるい、これを表土の上に薄く撒くことで対処した。
砂は土よりも重く、土の外に出てしまった根を押さえるのにはちょうどいい。
それでいて一粒一粒がバラバラなので、根が完全に窒息することもないようで、その後の順調な成長が望める。