リトープスの実生(ちょっとしたコツ3)

リトープスの種を蒔いた鉢を室内用ガラス温室に入れたことの利点は、発芽後の順調な成長だけではなかった。
温室は室内にあるから、外気温が10月、11月にかけて、どんどん下がっていっても、温室の温度はそれほど下がらない。
それで、9月の中旬から10月の初旬とされているリトープスの種の撒き時より遅れても十分発芽させることができる。

  • 2017年10月15日播種した苗


一枚目の画像は10月15日に撒いたもの。
下半分の区画には、寿麗玉系の大理石を撒いた。大理石はこれまで何回も実生してみたが一度も成功したことがない。
発芽はしてもその後の成長が遅く、春の成長期まで苗が持っても、その後消えてしまう。
今回、室内ガラス温室に入れたものは、画像のように今のところ順調に生育している。
今までうまくいかなかったのは、冬の間の最高気温が低すぎで、根の先の生長点が死んでしまったからだと思う。つまり冬越しの失敗。
寿麗玉の自生地は、冬の一番寒い時期でも、最高気温が17度ある。地表の温度はもっと高くなるだろう。
これに近い最高気温を実現しないと大理石は育たないのだろう。

  • 2017年11月8日播種した苗


二枚目の画像は11月になってから、種を蒔いた鉢。通常の撒き時より二か月近く遅い。
それでも、ちゃんと発芽し、成長している。
実生苗に当てはまることは大人株にも当てはまりそうだ。つまり、あまり性質の強くないリトープスの場合、冬の間は日中に日の当たる室内の方が栽培に適しているかもしれないということ。
これはとりわけ、南アフリカの西部、冬降水地域が自生地の多くのリトープスに当てはまると思う。