腸活21

アラビノキシランは植物本体の構成要素であるヘミセルロースの一種だから、ごく普通の野菜や穀物にも含まれているはずだが、葉物野菜などではほとんどが水分だから、含まれていても微々たるものだろう。

一方、穀物も外皮を取り除く処置をしてあると、アラビノキシランはほとんど失われる。

含有率の高いものはやはり小麦ブランということになる。某メーカーの商品の袋に書かれている説明では一食40g当たり、11gの食物繊維、そのうち26パーセントほどがアラビノキシランだという。ということは一食40g当たり、2.86gのアラビノキシランが摂れる計算になる。

一食で3g近いアラビノキシランというのは、他の食材ではなかなか達成できない。他にもアラビノキシランが豊富な食材はないかと探してみた。

食材とは少し違うが、健康食品として売られているクマザサやサイリウムのパウダーにアラビノキシランが豊富に含まれていることがわかった。

サイリウムパウダーに含まれる水溶性と不溶性それぞれの食物繊維量に関して日本のサイトには的確な情報がない。

アラビノキシランは不溶性に分類されていると思うが、その含有率が的確でなかったら具体的な数値としてはわからない。

アメリカのサイトの情報によると、100g中の不溶性成分はわずかに6gほど。といっても普通の野菜に比べればそれでもかなり多いほうだ。

たとえば食物繊維の多いと思われるゴボウの100g中の総繊維量は5.7g。そのうちの不溶性は、3.4gだから、サイリウムはゴボウよりもかなり多い。

パウダー状だから、調理の必要もなく、他の食材に振り掛ければいいだけ。簡単に摂取できる。

同じく、クマザサパウダー。健康食品として一時ブームになった。さて、その食物繊維の含有量だが、第三者的分析の情報がない。

クマザサを原料にしたサプリメントメーカーの情報しか見つけられなかった。一応その情報を信じるとして、100g中の食物繊維量なんと67.3g。

ほとんどが不溶性の食物繊維のようで、このパウダーだけだと、不溶性と水溶性のバランスがとれず、便秘を引き起こすかもしれない。

よく性質を知った上で水溶性の多い食材なり、パウダー類とのあわせ技で腸活に役立つと思える。

不溶性が多いということはアラビノキシランも多いといえそう。以前にクマザサがブームになったのは、クマザサから特殊な方法で抽出したアラビノキシランに抗がん作用があるかもしれないと話題になったからだ。

抗がん作用に関してはともかくも、クマザサにはアラビノキシランが豊富に含まれていることは間違いなさそうだ。

フィーカリバクテリウムの育成に役に立ちそうだ。

ちなみにサイリウムに摂取による酪酸産生量に関しては、次のサイトの情報が参考になる。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs1983/52/6/52_6_365/_pdf