日本人の英語3

構文が難しいというのは、英語を日本語に置き換えたとき、日本語の構造に合うようにするための構造分析作業に時間がかかるということだ。
しかし、これでは、この作業中、文の内容理解は中断され、文章全体を読み終わるのに、長い時間がかかってしまう。
読んで理解するというのは、文の流れに沿って、目は左から右に、上から下へと進んで、とまることなく動いていって行うものだ。これが何度も中断されるようでは、理解はスムーズに進まない。
これを避けるのに、英語を日本語に訳さず、そのまま理解するのがいいとされるが、これは「言うは易し」の典型で、実際にはできるようにはまずならない。
英語を日本語に置き換えて、なおかつ左から右への読む流れを止めない方法がないかというと、ほぼそれに近いという方法ならある。
日本語と英語の語順に大きな違いを作る原因となっている品詞が二つある。ひとつが接続詞で、もうひとつが関係詞だ。
次のような接続詞afterを用いた文を例にとる。
1. I went to bed at 11 after making a call to my wife.
2. I went to bed at 11 after I made a call to my wife from 9:30 to ten.
3. I went to bed at 11 after I made a call to my wife from 9:30 to ten, which I often forgot to do, causing her resentment.

学校方式だと、例文1の場合でも、まず、after以下を先に訳して、それからその前の部分を訳すのが普通だ。1の文はafter 以下が短いからそのやり方でも、大して時間はかからない。
しかし、例文2だとafter以下が長く、視点を相当前に戻さないといけなくなるし、例文3だと行まで変わってしまうだろう。
「after=…の後」という訳に固執すると、語順を入れ替えないとうまく理解できないが、
これを「after=その前に」と理解すると、語順どおりの理解が可能となる。(以下次回に続く)