サボテンの冬越し4

冬暖かくしたほうがいいサボテンは、南米産のものが多い。ノトカクタス属のサボテンの多くにも同じことが言えると思う。
しかし、ノトカクタス属の栽培について詳しく述べた日本のHC、あるいはブログを見たことがない。
日本では、ノトカクタスを駄物と称して、これを軽視する傾向があり、これを大事に栽培しようとはしない風潮があるようだ。
ノトカクタス属のサボテンを一般的なサボテン栽培と同じように、通年、黒いプラスチック鉢に入れて、冬は、水を切るというような栽培をすると、本体下部から、褐色に変色、木質化していき、大変見苦しい外観となる。
育て方によってどういう差ができるかが、左の二つの画像からわかる。画像はどちらもノトカクタス属の青王丸。
最初の画像のサボテンは、他のサボテンと同じ育て方をしたもので、購入当時は変色部分が、本体下部三分の一ほどだったのが、夏の暑い時期に一気に本体の上のほうまで広がった。
変色部分は、もう元に戻らない。こうなると、見た目があまりに悪く、これからも大事に育てていこうという気が失せてしまう。
二枚目の画像の青王丸は、夏には、素焼きの外鉢を付けて、鉢自体の温度を上げないような工夫をし、11月からは、加温装置付きの温室に移して、水を切ることなく育てたのものだ。
冬場の今でも、名前の通りのみずみずしい緑色で、水を与えると新しい刺が上がってくる。

三枚目の画像が青王丸の自生地の気候。麗蛇丸の自生地ほどではないが、冬の温度が比較した日本の気候に比べて、ずいぶん暖かい。
夏の最高気温は日本より低い。一枚目の画像の青王丸は夏の時期に急激に変色が始まったことを考えると、夏の最高気温がこのサボテンには高すぎたことが原因だと推測できる。
黒いプラスチックの鉢では、日が当たったところの温度が大変高くなり、しかもその熱が逃げにくい。この熱のために、サボテンの細根がやられ、水を吸収できなくなり、サボテンが自衛のために、本体を木質化させる。これが変色の原因だろう。
かといって、素焼きの鉢で栽培すれば、今度は冬に温度が下がりすぎる。何らかの工夫がないと、本体をきれいなままでは育てられない。