本田選手の英語

昨日、1月9日にニュース各メディアは本田選手がイタリアの名門、ACミランに加入したことを伝えた。
加入にあたって行われた入団記者会見で、本田選手は、英語で自らの抱負を語った。
その英語は、流暢なものではなかったが、内容は彼のチームでの目標を明確に示すもので、何より重要なのは、用意された原稿をそのまま読むというようなものではなかったことだ。
インタビューでの質問に、自分の言葉で答える。この当たり前のことをこれまでに行った日本人アスリートはいただろうか。
私は、どのスポーツにも特に関心はないので、こうしたスポーツ選手の入団記者会見のことも、全て知っているわけではないが、本田選手のように、その場での質問に、選手自身が自分の言葉で回答しているシーンを見たことがない。
日本人アスリートの英語での上手なスピーチというのなら、例のオリンピック招致委員会のメンバーによるものなどがあるが、スピーチというのは、一種のステージパフォーマンスだ。
事前の準備がしっかりしていれば、英語がしゃべれなくても何とかなる。
しかし、記者会見での質疑応答となればそうはいかない。質問者の外国語を聞き取り、その場で回答を、その外国語で行わなければならない。
本田選手の英語は、先にも述べたとおり、発音がきれいというようなものではなかったが、日本人が外国人とのコミュニケーションで外国語を使わなければならない時の一つのロールモデルを示したように思う。
彼は、公式記者会見の後の日本人記者とのインタビューで、「日本語だったら、3時間でも話してました」と述べた。
外国語では、自分の思いをうまく伝えることが出来ないもどかしさが付きまとうのは、かなりその外国語に精通している場合でも同じだ。
しかし、そのもどかしさにも拘らず、あえて自分でそれを行おうという彼の姿勢がいい。
今後、チームでの彼の活躍に期待する。