日本人の英作文2015-13

「つばめのつんちゃん」の最終回。
課題箇所と訳文の例は次のとおり。

課題文
「南の国に行っちゃうのかな」とまりちゃんがつぶやくと,
「まだだよ。もっと大きくなってからだよ」とサリーちゃんは笑って、つんちゃんに大きく手をふりました。

訳文1
"Are they flying to southern lands?"Mari mumbled to herself.
"Not yet. the chicks are too small." said Sally, waving a lot to Tsun-chan, the swallow.
訳文2
"They may fly south? whispered Mari-chan.
"So far. After growing more, I'm sure. Sari-chan waved to Tsun-chan with smiling.

「南の国行っちゃうのかなあ」は,今、目の前で飛び去っていった3羽のつばめを見送りながら言ったので、訳文1のように進行形で表すのがいい。
訳文1は「南の国」を複数形にしたが、たとえ、つばめが様々な南の国をたどっていきそうなときでも、なにも複数形にする必要はない。
"Are they flying to a southern land?"と単数形で表しても,"a southern land"は「あるひとつの島」という数の限定があるわけではないからだ。
「大きく手を振って」はどう表現するか難しいところ。直訳調の"wave widely at"で検索してみるとほとんど使用例がない。
訳文1の"wave a lot at"だと、2000件ほどヒットする。他の訳文例では"wave cheerfully at"としていたが、これもほぼ同数のヒット数。
いずれもよく使われるとはいいがたい数なので、こういうときは副詞はなにもつけないほうがいい。
訳例
"Are they flying to a southern land?" mumbled Mari-chan.
"No, not yet. They won't fly away until the chicks grow big enough."laughed Sari-chan waving at Tsun-chan.