日本人の英文法6

日本人が英語を話す際に、日本語で言いたいことを先に考え、それを英訳して話すのは英語を読んで、その英語を日本語に訳しながら意味を考えるのと同じぐらい、避けがたいことなのではあるが、そのために時制表現を間違える危険が常に付きまとう。
次に日本文をいくつか挙げてみる。
この中には、「います」の表現をそのまま現在進行形にすると、間違いになってしまうものが混じっている。
1. 学校へはバスで通っています。
2. 最近、一日に30分は歩いています。
3. 夫の両親と同居しています。
4. 中学校で英語を教えています。
5. 帰宅すると、いつもペットの犬が戸口のところで待っています。
6. 通勤のときに英字新聞を読んでいます。
7. 今の会社で、20年働いています。
どの日本文も「います」で終わっているが、英語にすると、現在進行形で表現可能なのは、3.と4.だけだ。
4.もずっと教師を続けるつもりなら、現在進行形ではなく、現在形を使うべきところだ。
7.は完了形を使うべきもので、現在形で、I work for the company for twenty years.
とすると、毎日の勤務時間が、20年であるような意味の文となってしまう。
現在形、現在進行形、完了形、いずれも中学で学ぶ時制だが、この使い分けが結構難しいのだ。
一瞬でいいたいことを英語で表現しなければならない会話の場合、時制を間違えずに話し続けるのは、日本人には至難の業だ。